特定非営利活動法人滋賀県就労支援事業者機構shuroshien

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滋賀県就労支援事業者機構shuroshien

会長:大道良夫

平成19年版の犯罪白書で、全犯罪者のうち30%を占める再犯者が犯罪発生件数の60%の犯罪を起こしており、社会に多大な脅威と被害を与えていたことが浮き彫りになりました。罪を犯した者が再び罪を犯すことなく、善良な社会の一員として更生するためには、彼らが社会に戻った後、就職の機会を得て、経済的に自立することが極めて重要であり、その就労を支援していく事が大切な課題であることが認識されました。しかし、現実には彼らの就職には課題や支障も多く、前歴を承知のうえで雇用し、その立ち直りを支援しようとする雇用主は、そのほとんどが地域の篤志家や保護司等の個人的な関係にとどまっていました。

そこで、日本経済団体連合会(経団連)が趣旨を理解し、経済界の立場から就労支援を通じて安全で安心な社会づくりに貢献しようと、平成21年1月に非営利活動法人全国就労支援事業者機構が設立されました。これにより、全国的な規模で協力雇用主の裾野を広げ、支える活動が始まりました。滋賀県でも具体的な支援活動を展開するため、経済団体の支援を取り付け、地元企業会員、団体会員からの会費等により「非営利活動法人滋賀県就労支援事業者機構」が、平成22年3月に設立されました。遡る平成21年9月には大津保護区おいて、協力雇用主22社が大津更生保護協力雇用主会を発足していました。

その後、他の保護区でも雇用主会設立の機運が高まり、平成23年1月に草津・栗東更生保護協力雇用主会が、平成23年5月に彦根・犬上更生保護協力雇用主会が組織されました。また、協力雇用主の重要性を積極的に広報した結果、滋賀県、大津市、彦根市では、協力雇用主に対する入札参加資格への加点が制度化されたことも奏功し、協力雇用主数を飛躍的に伸ばすことが出来ました。

文頭に記した犯罪を繰り返す人の特徴として、身近に相談相手を持たず、孤立した状態にあることが言われています。社会で生きることをあきらめ、刑務所に戻りたいという気持ちから、万引きや無銭飲食などの再犯をしてしまう人もいます。刑務所を居場所にする人を増やさず、自暴自棄に陥ったり社会への敵意を募らせたりする前に、早期に社会の一員として復帰する機会を用意することが、社会の安全のためにも大切であるという考えのもと「居場所と出番」の確保・充実を目的とした就労支援の様々な施策が行われるようになりました。法務省は平成23年度から、更生保護就労支援事業を民間への委託事業として創設し、刑務所・少年院における面接、雇用先の開拓、就労調整、就労後のフォローなどをきめ細かく行うようになりました。平成27年度からは協力雇用主に対する「刑務所出所者等就労奨励金」制度が始まりましたが国の制度に先んじ、当機構が対象者の就労を助け、雇用主へ奨励金の支払いを実施していたことは特筆すべきことと自負しております。

平成28年度からは、全国機構からスタッフ配置事業の支援を受け、更生緊急保護対象者を中心に就労と居住の支援を始めました。県下では滋賀好善会のみが継続保護事業を実施していますが、常に定員に近い収容がなされているため、住居を確保していただける雇用主は必須です。また、住まいと就労が決まっても、初めの給与が支払われるまでは、生活は何もスタートを切ることがないため、全国に先駆け、雇用主を経由した生活支援金の支給も始めました。

平成31年3月には、滋賀県更生保護事業協会、滋賀県保護司会連合会、滋賀県更生保護女性連盟と共に、大津駅前の逢坂ビル3階に滋賀県更生保護ネットワークセンターを開設しました。更生保護における就労支援は、単に職を求めるだけの人への支援や、労働力だけを求める事業者に応えることでないことを肝に銘じ、一人一人の事情や特性を踏まえた、再犯防止につながる支援のために、今後も保護観察所や滋賀県を始め、各機関、団体との連携を深め、重層的に活動をしてまいります。当機構では「立ち直りがんばるあなたを就労支援」というキャッチフレーズで頑張って活動をしています。

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